【1年生A】
「この紅薔薇ください……!」
【1年生B】
「白百合をふたつ、ペアで……!」
【1年生C】
「花束に作っていただくことは可能ですか!?」
【創】
「わかりました、順番に対応しますから、少々お待ちくださいね」
【アリカ】
「会計、こちらでお先に承ります――」
……終業式後のチャリティバザーは大盛況だった。
アリカお嬢さまの命名で『ル・ジャルダン・デ・フルール』という造花フラワーショップを出したのだが。
まさに、端から飛ぶように売れていった。
睡眠時間を削って、夜にこつこつ量産を頑張ってきたつもりなのだが、それでもまだまだ数が足りなかったようだ。
俺は、この学園のお嬢さまがたの買い物パワーをかなり甘く見ていたかもしれない。
基本的に、飛びかっているのは紙幣ばかりで、硬貨の金属音はほとんど聞こえてこなかった……。
【アリカ】
「この調子だと、早々に完売してしまいそうですね」
どんどん『荒れ地』の増えていく花園を見て、アリカお嬢さまが満足げに微笑む。