ポリーナに導かれるようにして、ステップを踏む。
細かな説明の言葉は、まるで必要なかった。
おたがいに無言のまま、視線をちらりとかわすだけで、おたがいがなにを考えているのか、どうすべきなのかがわかる。
【ペコ】
「…………ふふっ」
ポリーナのほうも、同じ気持ちになったらしい。
ときどき俺を見る視線には、ただの余裕以上の、楽しげな笑みが浮かんでいた。
【ペコ】
「んっ…………!」
つないだ手を高く持ちあげるようにして、その下でくるりとポリーナが回転する。
ふたつにくくった髪が、小気味よいリズムでかわいらしく揺れた。
【ペコ】
「わたし、本当に楽しい……!」
【ペコ】
「こんなに踊るのが楽しいのは、生まれて初めてかも――」
微笑んだポリーナが、たてつづけに小きざみなステップを踏む。