【創】
「そこでバターを加えて混ぜて、よく溶かしていきます」

【紅緒】
「バターを入れて……っと」

【創】
「その調子です」

最初こそ緊張して固かったものの、調理を開始してからものの数分でリラックスしてきた。
今は余裕を持って調理をしている。

【創】
「バットに流しいれて形を整えたら、冷蔵庫で1時間程、固まり具合によっては更に冷やします」

【紅緒】
「しっかり均等に……」

【創】
「いい調子ですよ。とても筋がいいです」

【紅緒】
「そ、そう?」

【創】
「はい。今日は初めてなのでチョコを湯煎して作ってみましたけど、次からはカカオからでもいけそうですね」

【紅緒】
「カカオって……豆?」

【創】
「まさか、挽かれたカカオの粉が売ってるんですよ。カカオは専用の機械で細かく挽かないと使えないですから」

挽かれたカカオのことをカカオマスという。それでも粉から作るのは時間と手間がかかり過ぎて現実的ではないが。

【紅緒】
「機会があれば試してみたいわね」

【創】
「紅緒さんは筋が良いから大丈夫ですよ」

【紅緒】
「創さんの教え方が上手だから……」